1 目的
今後、木材の需要が性能重視となる事が予想されるが、県産木材の強度についての基礎データがない。
このため、スギ・ヒノキ材の曲げ試験を行い、県産木材の性能を明確にする。
このため、スギ・ヒノキ材の曲げ試験を行い、県産木材の性能を明確にする。
2 材料試験
樹 種 | 腰高直径 (cm) |
一番玉末口 直径(cm) |
用途 | 規格(m) | 本数 |
ス ギ | 23.9 | 19.1 | 柱 | 0.12x0.12x3.0 | 20 |
ヒ ノ キ | 23.4 | 17.9 | 柱 | 0.12x0.12x3.0 | 20 |
ス ギ | 43.5 | 33.3 | 梁 | 0.12x0.24x4.0 | 30 |
3 試験場所
日本工業大学建築学科 (埼玉県宮代町)
4 試験方法
埼玉県内の代表的な優良材の産地である飯能市内のスギ・ヒノキを県内森林組合で粗換き製材した後、共同組合フォレスト西川で人工乾燥し、規格寸法に再度製材した。
試験材料の曲げヤング係数の測定は日本工業大学で行った。
試験材料の曲げヤング係数の測定は日本工業大学で行った。
5 試験結果
- 埼玉県産(飯能産)木材の曲げヤング係数(変形しにくさの度合い)の平均は、スギ正角材が105、ヒノキ正角材が140、スギ平角材が97(単位:103kgf/cm2)であった。
- 埼玉県産木材の曲げヤング係数は、いずれも国内の平均的な曲げヤング係数よりも高い数値であり、変形しにくいことがわかった。
供試材料 | 曲げヤング係数(単位:103kgf/cm2) | ||
埼玉県(飯能産)数値 | 国内の平均的数値 | ||
ス ギ | 正角 | 105(E110) | 70(E70) |
ヒノキ | 正角 | 140(E150) | 110(E110) |
ス ギ | 平角 | 97(E90) | 70(E70) |
注
- )含水率15%未満のものは、15%に換算した。
- )カッコ内数字はJAS等級を示す。
- )国内の平均的数値は、森林総合研究所からの聞き取り数値である。